見えないリスク見逃さないために。

大人になっても、
神経線維腫症1型の定期的な受診を。

「レックリングハウゼン病」、「NF1」とも呼ばれます。

ご覧いただいている方の中には、

症状が軽い/特に困ったこともないので、 病院には行っていない

幼い頃に診断されたけれど、
親からは何も説明されていない/
親から病院に行かなくてよいと言われた

医師から「気になることがあれば病院に来て」と言われ、そのまま通わなくなってしまった。

神経線維腫症1型を
根本的に治療できる方法がないので、
病院に行っても意味がないと思っている

という方もいるのではないでしょうか。

しかし、大人の神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、NF1)患者さんも、
定期的な受診が非常に大切です。

その理由は……

理由 1

悪性腫瘍(がん)
発症リスク高い

悪性腫瘍合併率

神経線維腫症1型でない人と比べて5.03倍
(海外データ)1)

年齢ごとの
悪性腫瘍合併リスク

下のグラフは、神経線維腫症1型患者さんと、神経線維腫症1型でない人の、悪性腫瘍合併リスクを示しています。神経線維腫症1型患者さんでは、リスクの上がり方に特徴がみられるのがわかります(海外データ)1)

乳がん

神経線維腫症1型でない人と比べて3.04倍、特に40歳未満の女性に限定すると11.1倍(海外データ)1)

胃や腸に関連する悪性腫瘍
(消化管間質腫瘍)

神経線維腫症1型でない人と比べて34.2倍 (海外データ)1)

乳がんや消化管間質腫瘍は、神経線維腫症1型患者さんでなりやすいとされている悪性腫瘍の一例です。他にもさまざまな悪性腫瘍になりやすいことが報告されています1)2)

【試験概要】
【目 的】
神経線維腫症1型患者さんの悪性腫瘍リスクを悪性腫瘍の種類、年齢、性別ごとに明らかにすること
【対 象】
1987年1月1日から2011年12月31日の期間に、フィンランドの第2・3次医療機関のすべての診療科を含んだ電子病院登録に記録があった神経線維腫症1型患者さん1,404例
【方 法】
神経線維腫症1型患者さんの悪性腫瘍への罹患や死亡の情報と、フィンランド統計局や国立人口登録センター、フィンランドがんレジストリに登録されている方の情報を比較した。
悪性腫瘍の種類ごとに、標準化罹患比および標準化死亡比を算出した。
【リミテーション】
それぞれの悪性腫瘍の患者数やフォローアップ期間が限定的であり、すべての神経線維腫症1型関連腫瘍との関連性を決定づけられていない。
理由 2

良性腫瘍悪性腫瘍(がん)変化する可能性2)

神経線維腫症1型患者さんの中には、
叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)という
良性腫瘍ができる方がいます。
この叢状神経線維腫の一部は、悪性腫瘍変化することが知られています。

  • 神経線維腫症1型患者さんでよくみられる「神経線維腫」という腫瘍があります。
  • 神経線維腫は、神経を包んでいる細胞が無秩序に増えることで発生します。
  • 皮膚にできた神経線維腫は「皮膚の神経線維腫」、体の内部にできた神経線維腫は「叢状神経線維腫」と呼ばれ、それぞれ特徴が異なります。
  • 叢状神経線維腫は全身にできる可能性があり、できる場所によっては、痛みや機能障害などを起こす可能性があります3)
  • 見た目や触った感覚などからわかる場合もありますが、検査をしないと見つからない場合もあります3-6)

理由 3

その他
注意すべき症状存在

大人になった後も、
注意が必要な症状があります。
例えば……

高血圧

本態性高血圧(原因がはっきりと分からない高血圧)や、腫瘍が原因の高血圧が起こる可能性があります。また、若い方でも血管のトラブルにより高血圧が起こる可能性があります7)

医師からご自身の状態にあった情報を聞き、対処していくために、

大人でも定期的な受診大切です。

現在、特定の病院で診療を受けていない、
この病気を専門の1つとしている医師を知らないという方は、

まず病院調べてみませんか?

出典

  1. Uusitalo E. et al.: J Clin Oncol 34(17): 1978-1986, 2016
    Uusitalo E. et al., Distinctive Cancer Associations in Patients With Neurofibromatosis Type 1, J Clin Oncol, 34, 17, 1978-1986 and
    https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.2015.65.3576.
  2. Carton C. et al.: EClinicalMedicine 56: 101818, 2023[COI:著者の中には、アストラゼネカ株式会社より資金提供を受けた者が含まれる]
    https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
  3. 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン作成委員会(編): 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン, 第1版. 医学図書出版株式会社, 東京: 16-17, 30, 2024
  4. Huson SM. et al.: Brain 111(Pt 6): 1355-1381, 1988
  5. Plotkin SR. et al.: Plos One 7(4): e35711, 2012
  6. Jett K. et al.: Am J Med Genet A 167(7): 1518-1524, 2015
  7. Stewart DR. et al.: Genet Med 20(7): 671-682, 2018[COI:著者の中には、アレクシオンファーマ合同会社の諮問委員会のメンバーが含まれる。また、同社より助成金を受領した者、アストラゼネカ株式会社より渡航費を受領したものが含まれる]