症状の特徴

  1. 皮膚や目、骨など、全身のさまざまな部位に症状があらわれる可能性があります1)
  2. 1人の患者さんにすべての症状がでるわけではなく、あらわれる症状の種類や程度は個人によって大きく異なります。ご家族にこの病気をもつ方がいても、出てくる症状は患者さんごとに違います1)
  3. 1度にすべての症状が出るわけではなく、それぞれあらわれやすい年代があります1)
症状の特徴

※ 症状はこの限りではありません。

代表的な症状

カフェ・オ・レ斑1)
カフェ・オ・レ斑
  • 淡いミルクコーヒー色~濃い褐色のしみ・あざです。
  • 神経線維腫症1型の患者さんでは全身に6個以上みられることが多いです。
  • 平らで盛り上がりがなく、なだらかな輪郭をした円形のものが多いです。
  • 多くは出生時、遅くても2歳までにはみられます2)
神経線維腫
(しんけいせんいしゅ)
  • 皮膚や体の内部にできる良性の腫瘍です(神経を包んでいる細胞が無秩序に増えるために発生します)。
  • 皮膚の神経線維腫と叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)*1の大きく2つに分けられます3)
  • 皮膚の神経線維腫は、
    • 皮膚にできるドーム状の軟らかい腫瘍です。肌と同じ色やうすい赤色で、直径1~2㎝程度のものが多いです3)
    • 思春期以降に約95%の患者さんでみられます1)
    • 数や大きさによっては手術で切除することがあります。
皮膚の神経線維腫 皮膚の神経線維腫
  • 叢状神経線維腫は、
    • 体の内部にできる腫瘍です。深い場所にあり見た目では分からない場合もありますが、浅い場所にあり体の表面が盛り上がる場合もあります。
    • 腫瘍の位置や状態によっては、痛みや運動障害、感覚異常などの症状があらわれます4)
    • 神経に沿ってできる「神経の神経線維腫」、徐々に大きくなるものが多い「びまん性神経線維腫*2」が含まれます1,3)。びまん性神経線維腫は、大きなしみ・あざがある箇所にできる場合があります。
    • 良性腫瘍ですが、悪性腫瘍(がん)に変化するものもあります。
    • 腫瘍の位置や症状にあわせて、手術やお薬で対処することがあります3)
叢状神経線維腫 叢状神経線維腫
  1. 「叢」は「くさむら」を意味する漢字で、「叢状」とは、くさむらのように多くのものが1か所に集まっている様子を意味します。
  2. 「びまん」とは、特定の1か所ではなく広範囲に広がっている様子を意味します。
雀卵斑様色素斑(じゃくらんはんようしきそはん)1)
雀卵斑様色素斑(じゃくらんはんようしきそはん)
  • わきや脚のつけ根に、そばかすのような斑点ができます。
  • 1歳頃から小学校入学前の幼児期に、約95%の患者さんでみられます。
視神経膠腫
(ししんけいこうしゅ)
皮膚の神経線維腫
  • 視力の低下や左右の目の視線がそろわない、無意識に眼球が揺れるなどの症状がみられる場合があります5)
  • 無症状の場合や、自然に消える場合もありますが、失明につながる可能性もあります1)
虹彩小結節
(こうさいしょうけっせつ)1)
虹彩小結節(こうさいしょうけっせつ)
  • 小さな粒のようなものが眼の虹彩(ひとみの茶色い部分)にあらわれます。
  • ほとんどの場合、視力への影響はありません。
  • 0~18歳の期間(小児期)にあらわれやすく、約80%の患者さんにみられます。
  • この病気に特徴的な症状なので、診断の手がかりになります。
発達障害
皮膚の神経線維腫
  • 幼児期から学童期頃にかけて徐々にあきらかになることがあります1)
  • 具体的には
    • 注意力が続かず忘れ物やミスが多い
    • コミュニケーションがうまくとれず、周りになじめない
    • 学習につまずきがあり、通常の学習方法で改善されない
    などの特徴がみられます。
骨の症状
骨の症状
  • 頭や体の骨が変形している、または、一部の骨が生まれつき欠けていることがあります1)
その他
  • 悪性末梢神経鞘腫瘍(あくせいまっしょうしんけいしょうしゅよう)や乳がんなど、他の悪性腫瘍を合併する割合は、神経線維腫症1型でない人よりも高い傾向にあることがわかっています1)
  • てんかんを合併する場合があり、その可能性は約6~14%といわれています1)
  1. 神経線維腫症1型診療ガイドライン改定委員会(編). 日皮会誌 128(1): 17-34, 2018
  2. 倉持 朗: 小児科 58(10): 1177-1194, 2017
  3. Yoshida Y. Keio J Med 74(1): 37-41, 2025[COI:著者は、アレクシオンファーマ合同会社からの謝礼金を受領している]
  4. 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン作成委員会(編): 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン, 第1版. 医学図書出版株式会社, 東京: 16, 2024
  5. Carton C. et al.: EClinicalMedicine 56: 101818, 2023[COI:著者の中には、アストラゼネカ株式会社より資金提供を受けた者が含まれる]

総合監修 
福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授 
今福 信一 先生

1991年3月九州大学医学部を卒業。九州大学医学部附属病院 皮膚科学教室医員、メリーランド大学医学部 ウイルス学研究員、国家公務員共済新小倉病院 皮膚科医長、九州大学医学部 皮膚科教室助手、広島赤十字・原爆病院 皮膚科・診療部長、九州大学医学部 皮膚科教室助手・病棟医長、北九州市立医療センター 皮膚科・主任部長を経て、2007年4月福岡大学医学部 皮膚科学教室講師、2009年4月同大学 准教授、2014年4月同大学 教授、現在に至る。