子供から大人への移行期に知っておきたい神経線維腫症1型
(レックリングハウゼン病、NF1)のこと
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、NF1)では、ご自身の年代にあわせた情報を知ることが重要です。成人したらどのようなことに注意し、結婚などの悩みはどこに相談すればよいのでしょうか?短大生のゆいさんと一緒に医師の説明を聞いてみましょう。
総合監修医から一言
福岡大学医学部
皮膚科学教室 教授
今福 信一 先生
進学や就職、結婚、妊娠など人生の大切なイベントを迎えられる患者さんもおられるかと思います。楽しみな反面、ご不安に思われることがあるかもしれません。患者さんの体のことは 、我々医師もよくわかっていると思いますので、病気やそれに関連した悩みについては、ぜひ相談してください。一緒に考えていきましょう。
一方で、大人になると、これまで通っていた病院が遠くなったり、仕事や子育てで忙しかったりと、受診が後回しになりがちです。ですが、この病気は定期的に病院に来ていただき、ご自身の状態に変化がないか確認していくことがとても大切です。引き続き、受診を心がけていきましょう。
この時期のNF1
悪性腫瘍(がん)に注意しましょう。
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、NF1)患者さんは、神経線維腫症1型でない人と比べて、悪性腫瘍(がん)になりやすいことが分かっています。海外では、悪性腫瘍全体で約5倍、特定のもの、例えば乳がんでは約3倍かかりやすいという報告もあります1)。
また、皮膚の表面や内部にできる叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)という良性の腫瘍が、悪性腫瘍に変化することもあります2)。
そのため、神経線維腫症1型の症状を主治医に定期的に診てもらうと同時に、受けたほうがよいがん検診についても相談してください。
遺伝カウンセリングでは、遺伝に関わる悩みを相談することができます。
神経線維腫症1型は遺伝性の病気であるため、結婚や妊娠などライフステージの変化に伴い、悩みが出てくることもあるかもしれません。
そのようなときは、遺伝カウンセリングの利用を考えてみてはいかがでしょうか。遺伝カウンセリングでは、専門家である医師や認定遺伝カウンセラーが病気や遺伝に関する相談を受け付けています3)。
遺伝カウンセリングについて詳しくはこちらをご確認ください。
妊娠したら、産科の医師に神経線維腫症1型であることを伝えましょう。
妊娠すると体にいろいろな変化が起こります。神経線維腫症1型患者さんは、そうでない人と比べて、妊娠中に高血圧や羊水が少ない状態などになりやすいという報告もあります4)。このような特徴を考慮して関わっていただくためにも、産科の医師に病名を伝えてください。
- Uusitalo E. et al.: J Clin Oncol 34(17): 1978-1986, 2016
- 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン作成委員会(編): 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン, 第1版. 医学図書出版株式会社, 東京: 15-17, 2024
- 日本遺伝カウンセリング学会: 遺伝カウンセリングQ&A, https://www.jsgc.jp/faq.html, 2025/03/10確認
- Leppävirta J. et al.: Am J Med Genet A 173(10): 2641-2648, 2017
総合監修
福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授
今福 信一 先生
1991年3月九州大学医学部を卒業。九州大学医学部附属病院 皮膚科学教室医員、メリーランド大学医学部 ウイルス学研究員、国家公務員共済新小倉病院 皮膚科医長、九州大学医学部 皮膚科教室助手、広島赤十字・原爆病院 皮膚科・診療部長、九州大学医学部 皮膚科教室助手・病棟医長、北九州市立医療センター 皮膚科・主任部長を経て、2007年4月福岡大学医学部 皮膚科学教室講師、2009年4月同大学 准教授、2014年4月同大学 教授、現在に至る。
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