神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、NF1)って
どんな病気?

神経線維腫症1型(しんけいせんいしゅしょういちがた)は、レックリングハウゼン病またはNF1(えぬえふわん)ともよばれています。どんな病気なのか、さとし君と一緒にお医者さんのお話を聞いてみましょう。

監 修 古庄 知己 先生 信州大学医学部遺伝医学教室 教授
時 間 4分38秒

総合監修医から一言

福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授 今福 信一 先生のイラスト

福岡大学医学部
皮膚科学教室 教授
今福 信一 先生

診断された当初や新たな症状が出てきたときは特に、いろいろなことを不安に思われるかと思います。私が患者さんやご家族に説明する際には、個人差の大きい病気であり症状の可能性を心配しすぎなくてよいこと、ただし異変をすぐ見つけられるように定期的に病院に来てほしいこと、もし症状が出ても対応できる体制が整っているので安心してほしいことをお伝えしています。みなさんも、「注意しておくけれど、起こっていない症状については心配しすぎない」という気持ちで過ごしていただければ幸いです。

この時期のNF1

特に幼少期は確定診断がつかず、疑いのまま過ごす場合があります。

神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、NF1)は、通常、症状から診断します。症状にはそれぞれ出やすい年代があり、幼少期にはまだあまり症状が出ていない患者さんもいます。その場合は、確定診断がつけられず、「疑い」となります1)
神経線維腫症1型であれば、注意した方がよいことや、定期的に必要な検査があります。そのため、疑いのままとせず、主治医から伝えられたタイミングで再度受診をしてください。

心や行動の成長を注意して見守ってください。

神経線維腫症1型の患者さんの中には、発達障害を合併する方がいます1)。もし発達障害があっても、早めに気づき適切に関わることで、さまざまな能力を伸ばしていくことができます2)
気になる行動などがあれば、小児科の医師、または主治医に相談してください。

赤ちゃんを抱いた母親と園児の女の子、小学生の男の子

皮膚の表面や内部にできる腫瘍に注意してください。

神経線維腫症1型の患者さんでは、体の表面や内部に叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)と呼ばれる良性の腫瘍ができる場合があります3)。茶色の大きなしみ・あざがある方では、その場所に腫瘍が出てくることもあります。場所や大きさによっては日常生活に影響が出る可能性があり、また、「悪性化」といって悪性腫瘍(がん)に変化するものもあります4)
皮膚が盛り上がってきた、しみ・あざの箇所がふくらんできた、痛みがある、など気になることがあれば主治医に相談してください。

目の症状や背骨の変形に注意しましょう。

神経線維腫症1型患者さんでは、視力に影響する症状が出ることがあり、特に7歳以下でその可能性が高いことが知られています1)。子どもの場合、自分では視力の変化に気づきにくいので、それ以外の症状である左右の目の視線がそろわない、視線がゆれる、目が前に出てきている、などのサインに注意してください5)
また14歳くらいまでは、背骨の変形に注意が必要です。左右の肩の高さが違う、おじぎの姿勢で左右の背中の高さが違うなどのサインがあれば、変形の可能性があります。変形がひどくなる前に治療を行うことが重要ですので、気になることがあれば受診してください1)

定期的に受診をしましょう。

これまで記載した症状の他にも、小学生までの間に出やすいとされる症状が多くあります1)。早期に発見し対処した方がよい症状や、ご自身・ご家族では気がつきにくい症状もあるので、定期的に医師に診てもらうことが重要です。
なお、定期的な受診はどの年代になっても大切です。詳しくはこちらをご確認ください。

小学生のみなさんへ、自分(じぶん)の病気(びょうき)について知ってください

どんな病気(びょうき)なの?

体にしみ・あざがあったり、できものができたり(こういうものを症状[しょうじょう]といいます)する病気(びょうき)です。
家ぞくや友だちにうつることはありませんが、お父さんやお母さんが、おなじ病気(びょうき)のこともあります。

なんで病気(びょうき)になったの?

体をつくるもととなるもの(遺伝子[いでんし]といいます)がへんかすることで、病気(びょうき)になります。お父さんやお母さんのどちらかがこの病気(びょうき)だと、このへんかが子どもに伝(つた)わることがあります。また、たまたまへんかがおきて病気(びょうき)になることもあります。

NF1患者さんの女の子を抱きしめるお母さん

どんな症状(しょうじょう)がでるの?

小さいうちは、体にしみ・あざができたり、目(め)のみえかたがかわったり、できものができたりすることがあります。ただし、いつ、どんな症状(しょうじょう)がでるかは人によってちがい、ほとんど症状(しょうじょう)がでないまま、大人になる人もいます。
いつもとちがうこと、きになることがあれば、家ぞくのだれかにお話(はなし)してください。

なおすためには、どうするの?

あなたの症状(しょうじょう)にあわせて、体のことを調べたり、おくすりをのんだり、いろいろな病院(びょういん)に行ったりします。
おうちや学校ではわからないこともたくさんあるので、ときどき、病院(びょういん)に行っておいしゃさんにみてもらいましょう。

  1. 神経線維腫症1型診療ガイドライン改定委員会(編). 日皮会誌 128(1): 17-34, 2018
  2. 政府広報オンライン: 発達障害って、なんだろう?, https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/, 2025/03/10確認
  3. 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン作成委員会(編): 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン, 第1版. 医学図書出版株式会社, 東京: 15, 2024
  4. Yoshida Y. Keio J Med 74(1): 37-41, 2025[COI:著者はアレクシオンファーマ合同会社からの謝礼金を受領している]
  5. Carton C. et al.: EClinicalMedicine 56: 101818, 2023[COI:著者の中には、アストラゼネカ株式会社より資金提供を受けた者が含まれる]

総合監修 
福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授 
今福 信一 先生

1991年3月九州大学医学部を卒業。九州大学医学部附属病院 皮膚科学教室医員、メリーランド大学医学部 ウイルス学研究員、国家公務員共済新小倉病院 皮膚科医長、九州大学医学部 皮膚科教室助手、広島赤十字・原爆病院 皮膚科・診療部長、九州大学医学部 皮膚科教室助手・病棟医長、北九州市立医療センター 皮膚科・主任部長を経て、2007年4月福岡大学医学部 皮膚科学教室講師、2009年4月同大学 准教授、2014年4月同大学 教授、現在に至る。