「ガイドライン」とは

病気とつきあっていく中では、医療関係者と患者さん、ご家族で話し合いを重ねながら、さまざまなことを一緒に考え、決めていきます。その際の選択をサポートするため、これまでの研究結果に基づいて、「どのような検査や治療が適しているか」を示した指針が「ガイドライン」です。日本でも多くの病気について、それぞれのガイドラインが作られています。

叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)のガイドライン

日本では、神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病、NF1)に詳しい医師が中心となり、患者さんの声も取り入れながら作成された叢状神経線維腫のガイドラインがあります1)

治療についての記載

こちらはガイドラインに掲載されている図で、診療の流れが示されています。神経線維腫症1型で叢状神経線維腫がある患者さんの場合、症状がある方とない方では、それぞれ対応が異なります。もし症状がある(症候性[しょうこうせい]の叢状神経線維腫の)場合は治療が検討され、「手術治療」、「薬物治療」、「経過観察」という3つの選択肢が提示されています1)

叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療アルゴリズム

※ NF1 related MPNST:神経線維腫症1型患者さんにできる悪性末梢神経鞘腫瘍と呼ばれる悪性腫瘍(がん)、Non-NF1 related MPNST:神経線維腫症1型患者さんではない人にできる悪性末梢神経鞘腫瘍と呼ばれる悪性腫瘍(がん)、AJCCの病期分類:がんの進行度合いを示す指標

今福先生の絵

福岡大学医学部
皮膚科学教室 教授
今福 信一 先生

総合監修医からの+α

子どもの患者さんも大人の患者さんも、基本的に治療の選択肢は同じです。ただし、腫瘍のできる場所や患者さんの状態などによって、受けられる治療や適した治療が異なります。ご自身やご家族の治療については、ぜひ主治医の先生に相談してみてください。

  1. 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン作成委員会(編): 叢状神経線維腫-悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン, 第1版. 医学図書出版, 東京: p9-10, 18, 2024

総合監修 
福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授 
今福 信一 先生

1991年3月九州大学医学部を卒業。九州大学医学部附属病院 皮膚科学教室医員、メリーランド大学医学部 ウイルス学研究員、国家公務員共済新小倉病院 皮膚科医長、九州大学医学部 皮膚科教室助手、広島赤十字・原爆病院 皮膚科・診療部長、九州大学医学部 皮膚科教室助手・病棟医長、北九州市立医療センター 皮膚科・主任部長を経て、2007年4月福岡大学医学部 皮膚科学教室講師、2009年4月同大学 准教授、2014年4月同大学 教授、現在に至る。