NF1の診断と治療

監修:福岡大学医学部 皮膚科学教室 教授 今福 信一 先生

神経線維腫症1型診療ガイドライン改定委員会(編). 日皮会誌 128(1): 17-34, 2018
Gutmann DH. et al.: Nat Rev Dis Primers 3: 17004, 2017
愛知県がんセンター: 神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病),
https://cancer-c.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/3108.pdf, 2023/11/08 確認
難病情報センター: 神経線維腫症Ⅰ型(指定難病34), https://www.nanbyou.or.jp/entry/3991, 2023/11/08 確認

どのように診断するのですか?

症状から診断する方法と、遺伝子を検査する方法の2種類がありますが、通常は症状から診断します。
症状による診断では、臨床的診断基準7項目のうち2項目以上が該当するかで診断されますが、患者さんによっては1つしか症状がみられず、一時点での状態だけでは確実に診断ができない場合があります。

臨床的診断基準についてはこちら
他の病気と区別するために遺伝子診断を行うこともありますが、保険適用外(2023/11/08時点)で、その費用は全額自己負担となります。

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どのような治療を行うのですか?

基本は症状による影響を和らげる治療を行います。

まず、神経線維腫症1型を専門の一つとして診療している医師の診察を受け、症状に合わせて治療法を決めていきます。皮膚の症状であれば皮膚科や形成外科※1、骨の異常であれば整形外科※2など、症状に合わせて各領域の医師と連携する場合があります。

軽症であれば、治療を行わずに様子をみることもあります。
近年では研究が進み、治療の選択肢が増えています。ご自身にあった治療について主治医にご相談ください。
成長に伴って他の症状があらわれる可能性があるため、医師による定期的な診察を受けることが推奨されています。

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※1 形成外科とは、生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する(治療する)外科で、頭や顔面を含めた体全体を治療対象にしています1)
※2 整形外科とは、体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する外科で、背骨と骨盤という体の土台骨と、四肢を主な治療対象にしています2)