あ行
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悪性化
良性腫瘍(周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと増える腫瘍)だったものが、悪性腫瘍に変化することです。悪性腫瘍とは、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)するもののことです1)。
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遺伝子
生物の設計図のようなもので、遺伝子の情報をもとに体が作られます。本体はDNA(デオキシリボ核酸)という物質です。細胞の核の中に収められており、子どもは母親から半分、父親から半分を受け継ぎます。
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遺伝性疾患
親が持っている遺伝子の変化を子どもが受け継いで発症する病気。子どもの遺伝子が偶然変化することで発症することもあります。
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NF1(エヌエフ1)
神経線維腫症1型の別名です。病名を指す場合は単に「NF1」、原因遺伝子を指す場合は「NF1遺伝子」と呼び、区別します。 カフェ・オ・レ斑に類似したしみ・あざがみられるNF2(神経線維腫症2型)は、NF1とは異なる病気です。原因となる遺伝子も異なります。
か行
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限局性学習症2)
発達障害の一種で、読み書き、計算などの学習についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、困難に直面している状態。一人ひとりに合わせたサポートが必要になります。
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虹彩小結節(こうさいしょうけっせつ)
眼の中にできる小さな粒状のもので、ほとんどの場合は視力に影響しません。医師が神経線維腫症1型を診断する際の重要な手がかりとなります。
さ行
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自閉スペクトラム症3)
発達障害の一種で、対人関係やコミュニケーションが難しいと感じる、興味や行動に偏りやこだわりがあるなどの症状があらわれます。
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雀卵斑様色素斑(じゃくらんはんようしきそはん)
そばかすのような斑点のこと。1歳頃から小学校入学前の幼児期に、神経線維腫症1型の患者さんの約95%にみられる症状です。主にわきの下や足の付け根にみられます。
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常染色体顕性(優性)
2本で1組になっている常染色体のうち、どちらか1本に変化があると、もう1本に変化がなくても特徴があらわれる遺伝の形式です。(染色体「さ行参照」)
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染色体
遺伝子がまとまっているもので、細胞の核の中にあります。人間の染色体には性別に関係する性染色体が2本(1組)、性別に関係なく持っている常染色体が44本(22組)あります。1本は父親から、1本は母親から受け継ぐため、染色体は常に2本で1組になっています。
た行
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注意欠如多動症4)
発達障害の一種で、集中力がなく気が散りやすい、忘れ物が多い、一つのことを続けられないなどの症状がみられます。
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てんかん
脳の神経細胞が過剰に反応することで、けいれんなどの発作を繰り返す病気です。
な行
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ニューロフィブロミン5)6)
NF1遺伝子をもとに作られるたんぱく質です。ニューロフィブロミンには、細胞を正常な形に変化させる機能と細胞数を適切に調整する機能があります。NF1遺伝子にある種の変化があると、正常なニューロフィブロミンが作られません。結果として、細胞の変化と数の調整がうまくできなくなり、様々な症状が起こります。
は行
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発達障害
生まれつきみられる脳の働きかたの違いにより、幼児のうちから行動面や情緒に特徴がある状態です。自閉スペクトラム症、限局性学習症、注意欠如多動症などがあります。(自閉スペクトラム症「さ行参照」、限局性学習症「か行参照」、注意欠如多動症「た行参照」)
ら行
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レックリングハウゼン病
神経線維腫症1型の別名です。神経線維腫症1型の最初の報告者である、病理学者レックリングハウゼン氏の名前に由来します。
- 1)がん情報サービス: がんという病気について, https://ganjoho.jp/public/knowledge/basic/index.html, 2023/11/08 確認
- 2)e-ヘルスネット: 学習障害(限局性学習症), https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html, 2023/11/08 確認
- 3)e-ヘルスネット: ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html, 2023/11/08 確認
- 4)e-ヘルスネット: ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-003.html, 2023/11/08 確認
- 5)Shyamala K. et al.: J Oral Maxillofac Pathol 19(2): 221-229, 2015
- 6)Gitler AD. et al.: Nat Genet 33(1): 75-79, 2003