どんな症状があらわれますか?
カフェ・オ・レ斑
- 淡いミルクコーヒー色~濃い褐色のしみ・あざです。
- 神経線維腫症1型の患者さんでは全身に6個以上みられることが多いです。
- 平らで盛り上がりがなく、丸みを帯びた滑らかな輪郭のだ円形のものが多いです。
- 多くは出生時、遅くても2歳までにはみられます1)。
神経線維腫(しんけいせんいしゅ)
- 皮膚や体の内部、神経に沿ってできる良性の腫瘍です(神経を包んでいる細胞が無秩序に増えるために発生します)。
- ほとんどは命にかかわらない良性ですが、大きなものはまれに悪性化することがあります。
- 皮膚の神経線維腫、神経の神経線維腫、びまん性神経線維腫※1、叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)といった種類があります。
※1 「びまん」とは、特定の1か所ではなく広範囲に広がっている様子を意味します。 - 皮膚の神経線維腫は、思春期以降に約95%の患者さんでみられます。数や大きさによっては手術で切除することがあります。
- 叢状神経線維腫(そうじょうしんけいせんいしゅ)※2は、体の内部にできた神経線維腫が大きなかたまりとなり、体の表面が盛り上がるなどの症状が起こるものです。
※2 「叢」は「くさむら」を意味する漢字で、「叢状」とは、くさむらのように多くのものが1か所に集まっている様子を意味します。
皮膚の神経線維腫
叢状神経線維腫
雀卵斑様色素斑(じゃくらんはんようしきそはん)
- わきの下や脚の付け根に、そばかすのような斑点ができます。
- 1歳頃から小学校入学前の幼児期に、約95%の患者さんでみられます。
虹彩小結節(こうさいしょうけっせつ)
- 小さな粒のようなものが眼の虹彩(瞳の茶色い部分)にあらわれます。
- ほとんどの場合、視力への影響はありません。
- 0歳から18歳くらいまでの小児期に、約80%の患者さんにみられます。
- この病気に特徴的な症状なので、診断の手がかりになります。
視神経膠腫(ししんけいこうしゅ)
- 視力の低下や左右の目の視線がそろわない、無意識に眼球が揺れるなどの症状がみられる場合があります。
- 無症状の場合や、自然に消える場合もありますが、失明につながる可能性もあります。
発達障害
- 幼児期から学童期頃にかけて徐々にあきらかになることがあります。
具体的には
- 注意力が続かず忘れ物やミスが多い
- コミュニケーションがうまくとれず、周りになじめない
- 学習につまずきがあり、通常の学習方法で改善されない
などの特徴がみられます。
骨の症状
- 頭や体の骨が変形している、または、一部の骨が生まれつき欠けていることがあります。
その他
- 乳がんや白血病など、他の悪性腫瘍を合併する割合は、神経線維腫症1型でない人よりも高い傾向にあることがわかっています。
- てんかんを合併する場合があり、その可能性は約6~14%といわれています。
- 1) 倉持 朗: 小児科 58(10): 1177-1194, 2017