
長男・亮さんの体には生まれたときからカフェ・オ・レ斑があり、3歳のときに皮膚科医がNF1を疑ったのも、これを確認したためでした。亮さんは「かゆみは感じていましたが、痛みはありませんでした」と言います。また、同じ時期に頭から出血し、枕が血だらけになったことがありました。血管腫と診断され、全身麻酔での手術のために2泊3日の入院。真由美さんによると、はっきりとはわからないものの、このときの血管腫もNF1によるものであった可能性があるということです。
亮さん本人の記憶に残っているのは、お母さんと同じように小学校のプールの時間。カフェ・オ・レ斑を見て、心ない言葉を投げかける同級生がいました。真由美さんは亮さんに向けて、「もし、体のあざのことでいじめられることがあったら、『これが自分の体だから』と言い返しなさい」と、自身の経験に基づく助言を送ったこともあったそうです。
亮さんは言います。「中学生のとき、入りたかった野球部への入部を母に強く反対されたことを、特によく覚えています」。NF1と確定診断される前ではありましたが、真由美さんは自分の経験から「日焼けはよくない」と感じていました*。「日焼けの刺激で、皮膚の症状を悪化させてしまうことは避けたい」――野球部への入部を認めなかったのは、ただこの思いからでした。納得しきれない気持ちもあった亮さんでしたが、真由美さんの意向を汲んで野球をあきらめ、代わりに幼い頃から習っていたバイオリンを続けることを選択しました。
- 日焼けがカフェ・オ・レ斑や神経線維腫の悪化につながるといった報告は、本冊子の作成時点で確認されておりません。気になる点がございましたら、主治医にご相談ください。
